相続の解決事例-相続人か否か問題となった事例-

※依頼者の方から書面による承諾を得て、解決事例を掲載しています。

(1)事例の概要 

相続放棄を望まれた依頼者の案件です。複数の養子縁組がなされている家系において、そもそも相続関係があるといえるか問題となりました。

(2)解決内容 

相続放棄の申請をした当初において、裁判所側は、養子縁組による親族関係が発生しているといえないため、相続人に該当しないとして、相続放棄は受理できない可能性を示唆していました。

これに対し、別の系統において、養子縁組及びこれを契機として繋がる親族関係が発生している旨の上申書を提出しました。

その結果、裁判所は、依頼者が相続人であると評価して、相続放棄は受理されることとなりました。

(3)所   感

 本件の類似ケースとしては大阪高判平成元年8月10日が挙げられます。しかし、本件はそれをさらにひとひねりした事実関係になっていました。いわゆる代襲相続に関する民法887条2項但書の趣旨が問われる事案といえます。

ごくまれに、本件のように相続人に該当するか否かの判断が難しい場合があります。相続でお悩みになった際には、ぜひご相談ください。