交通事故事件の解決事例―カメラに事故状況が撮影されていた事案―

※依頼者の方から書面による承諾を得て、解決事例を掲載しています。

(1)事例の概要

四輪車同士の交通事故事案です。ある店舗に入ろうとしたAさんの自動車と店舗から出ようとした相手方自動車が対面し、相手方自動車が方向転換して移動しようとしたところ接触しました。

(2)解決内容

本件は出会い頭に衝突したものではなく、双方が一度停車した上で接触した点がポイントです。接触時にAさんの自動車は停車しており、これを裏付ける証拠があるか否かが問題となります。

この点、近隣店舗に事故状況を撮影した防犯カメラ映像が存在しており、それによりAさんの自動車が停車した状態で、接触事故が発生したことを明らかにすることができました。

そこで、Aさんの自動車が停車していたことを前提に交渉を進めることができ、最終的に、裁判例を踏まえた上で、当事者双方が納得する形での示談が成立することとなりました。

(3)所感

駐車場内の通路ではお互いに他の自動車に注意すべきであるとされており、出会い頭の衝突事故の場合、原則として、双方が同等の責任を負うことも少なくないです。

本件でも防犯カメラ等の証拠がなければ、Aさんの自動車が停車していたことを明らかにすることは難しかったと思われ、この場合は過失割合について大きく争いが生じていた可能性が高いといえます。

交通事故事案におけるドライブレコーダー等のカメラ映像の重要性を考えさせる事案といえそうです。